1月/睦月 唐津焼と七草粥

1月/睦月 唐津焼と七草粥
彩りから質感まで 繊細な料理の決め手となる器

米を食すは日々の基本
素朴で温かみのあるご飯茶碗で

『京料理たか木』の高木一雄さんは、季節の献立を考える際に「五節供」(ごせっく)を盛込む。江戸幕府が定めた5つの式日のことで、正月七日=人日(じんじつ)の節句といい、他に三月三日=上巳(じょうし)、五月五日=端午(たんご)、七月七日=七夕(しちせき)、九月九日=重陽(ちょうよう)の節供がある。各日には食の風習や伝統があり、それを器や料理で表現する。人日という言葉は聞きなれなくても、一月七日に七草粥を食べるのはご存知の通り。最近は七草のセットも売られ手軽になった。正月に残った餅をこんがり焼いて入れてもいいそうだ。よそったご飯茶碗は、細川護熙氏に依頼した唐津。唐津焼に使う土は、砂気が多く目が粗いので、釉薬(上薬)をたっぷりかけて焼く。表面の釉が固まるときに出る文様が、表情の違いを生む。その表情の違い、景色に自分好みのものを探して楽しむ器だそう。唐津焼にも色々な種類がある。この白い茶碗は斑(まだら)唐津という。焼き上がりにぽつぽつと青や黒の斑紋が表れることからそう呼ぶ。その他にも草や木、鳥や花の絵が描かれた絵唐津(左写真手前)や、数種類の釉薬を掛けて流し、焼き上がりの表情の違いを表す朝鮮唐津など。「今回は唐津に盛りましたが、毎日使うご飯茶碗は手なじみのよいものを選んでください。器入門は難しく考えないで、まずは自分の部屋に合うものを手にとってみると失敗がないですよ」。気に入った器に出合うとそこに何を盛ろうかと考えると高木さん。器を大切にすると日々の食にも思いをめぐらせるようになる。


写真/塩崎 聰 Photographs by Satoshi Shiozaki

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