イ・ヴェンティチェッリ

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イ・ヴェンティチェッリ

(苦楽園)

「イタリア料理?もう飽きるほど食べたわ」という方、もしくは料理人にこの店を勧めることが多い。そうした人たちがハマるメニューが揃っているからだ。初めて取材で訪れたのは約10年前。駆け出しのフードライターだった私は今より料理への知識が浅かったし、この店の個性的な料理が理解できなかった。というのも「アクアパッツァです」といいながら、魚介が入ってない。ジェノベーゼの派生形というパスタは、モロヘイヤ、ミント、ルーコラなどを合わせた強烈に苦いソースが絡んでいて「型破りにもほどがある・・・」と思っていた。だが、イタリア料理の原書をぼろぼろになるまで熟読し、新しい食材を使うならそれについてとことん学んでから取り入れる。豪快に見えるシェフが人一倍努力し、料理を追求する姿を見るうち、奇抜に見えるすべての皿にイタリア郷土料理の確固たる原型と、おいしさの鍵が隠されていることを知る。ここ数年、シェフが四川唐辛子や中国山椒などの食材をイタリア料理に取り入れたのは、神戸育ちで中国料理を食べて育ったDNAが、そうさせたという。イタリアの郷土料理に真摯に向き合う人だから、自分の地元の食文化にも愛着が湧いたのだろう。結果、見たこともない形で皿の中にイタリアを描く。それが玄人心をくすぐる魅力。ちなみに「イ・ヴェンティチェッリ」とは伊語で「そよ風」という意味だが、ここにはそんな優雅な風は吹いていない。あるのは「熱風」のみである。

  • 店名:イ・ヴェンティチェッリ
  • 住所:兵庫県西宮市樋之池町24-16(現在は大阪へ移転)
  • 電話番号:0798-74-0244
  • 営業:11:00~14:00 LO、17:30~22:00 LO
  • 休み:水曜
  • アクセス:阪急甲陽園線苦楽園口駅徒歩15分
  • 地図:Google map

写真/太田恭史 Photographs by Takashi Ohta

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